ブラックグリフィンの郵便屋さん④

 

このお話は、DDONに出てくる敵ブラックグリフィンと少年を主体とした物語です!

ブラックグリフィンとはこんな魔物です↓

これまでのお話がまだの方はこちらからどうぞ

 

今回が序章終わり! って感じになりました…。郵便屋さん要素がなかった!(

 


クリス、ジンゲンにゆく

 

 ママ と くらして いちねん。
 ママ は きの おうち を つくりました。
 きのおうち は たかい ところ に あって テキ が あまり きません。
 あんぜん。
 ママ、かしこい。
 さいしょ の ママ は きょうだい を つれて いってしまったけど。
 いま の ママ は ぼく を おいて いかない。
 ママ すき。

 

 

 ママ と 暮らして 二年。
 ぼく の 名前 は クリス。
 クリス は ママとは 違う生き物。ママは、羽 が ない。二本、足で、歩く。
 でも、ママ は クリス を りっぱに 大きく 育てているので よい ママだと 思う。
 さいきん クリス は ママより 大きくなった。
 まだ、ママを乗せて は 飛べない けど。ママ を 乗せて 空を 飛べたら ステキだ、と、思う。

 ママは クリスを 置いて いかない。
 ママ、好き。

 

 

 ママと暮らして三年。
 僕の名前はクリス。
 クリスがとても大きくなってきたから、木の上で暮らすのが難しくなって、ママは、ジンゲンに行こう、と言う。
 ジンゲン、とは、土地の名前。だって。
 どうしてジンゲンに行くのか、は、ママ曰く、この辺りではグリフィンのウワサが広まって、もう住みにくいから、だって。
 ウワサ、ってなんだろうね。クリスにはよくわからないよ。
 ジンゲンは、まだ緑があるし、住める場所もなんとかなるだろう、ってママは言う。

 クリスはママに従うよ。いい子だからね。
 ママが行くところはどこへでも行くよ。荷物もたくさん、くっつけていいよ。背負って歩くからね。
 狩りだって、ママが教えてくれたとおりに、頑張るよ。自分のご飯、自分でとれるように、頑張るよ。
 だから、ママは、クリスを、すてないでね。

 

 


 

 

 ママが、森から移動する日を決めた。空から水滴が落ちてくる雨の日だった。
 どうしてその日なのか、っていうと、雨だと僕らのニオイも消えて、足跡もわかりにくくなって、痕跡が、消しやすいから。だって。
 ママは子供の僕の分まで色々考えながら、ジンゲンの出発日を決めて、長い間住んだ木の上の家を捨てた。
 僕は悲しかった。
 ママが一生懸命作った家だ。屋根もあって、雨も風もへっちゃらで、高いところにあるから安全な家だった。これ以上はないってくらいいい家だった。でも、家は背負って歩けないから、ここに置いて行かなくちゃ…。
 しょんぼりする僕に、ママは背中を叩いて言った。「行こう。雨脚が強い間に」そうだった。ママは雨が降っている間に移動したいんだった。
 ママが僕の先を行くから、僕はママについていく。
 ママは身軽で、僕が全部荷物を背負っても、僕は大きいから、すぐにママに追いつく。追いついたらちょっと遅く歩いて、また追いついて、遅く歩いて、追いついて。
 雨の橋には緑色の、ママより小さい二足歩行の…ええと、ゴブリン! がいたけど、僕を見つけると慌てたように逃げていった。
 雨だから、人も見かけないし、獣もどこかで雨宿りをしていて、誰もいない。

「グ~、グ、グゥ、グワ~」

 ママと二人でお散歩。雨でも嬉しい。
 僕が歌っていると、ママはちょっと呆れた顔をした。
 途中で、群れで行動しているゴブリン…ええと、体が赤っぽい方。に囲まれたけど、僕がなるべくこわーい顔をして「グワァー!!」ってめちゃくちゃ大きい声を出して翼をバサバサさせたら、逃げていった。
 僕はまだまだ子供だけど、体が大きいのは、たくさん食べるのが大変だけど、こういうときはすごく便利だ。戦わずしてママを守れる。
 ゴブリンを追い払って、ハーピー、って飛ぶ鳥を追いかけ回して追い払って、木と草が少なくなってきた雨の道を行く。
 ママは、ジンゲン、の、人の村、には寄らなかった。雨で、見張り台にも誰も出ていなかったけど、早足で家々を通り過ぎていく。
 ママはあらかじめ、行く場所を決めていたみたい。迷わず新しい場所を歩いている。「こっちだクリス」「グワァ」僕はママの言うとおりにする。いい子だからね!
 そうして、ママがやってきたのは、人の建物のある場所。川が近くて、途中で狼やハーピーも見かけた、食べ物に困らなそうな場所だ。
 コン、と木の扉をノックしたママは、思い切ってそれを蹴り開けた。…中には誰もいない。勢いで扉が外れてしまったけど、どうせ、僕が出入りするのに外してしまうつもりだったんだろう。ママは扉を直さないで中に入っていく。
 僕は、人の建物に入るのは初めてだ。ママの手作りの家以外、人が作ったものには触れたことがない。
 そろそろと石畳を踏んで、石造りの建物の中に顔を突っ込む。…カビくさい。しばらく、誰も出入りしてないみたい。

「誰もいなさそうだ。おいで、クリス」

 ママのおいでが好きな僕は、怖かった建物の中に思い切って駆け込んだ。
 石は冷たいし、カビくさいし、真っ暗だけど、ママはテキパキ動いている。辺りを調べて、まだ奥に行けるとわかって、建物の奥を目指して歩き出す。僕は慌ててママに続く。初めての場所、真っ暗、カビくさいし冷たいし、ちょっと、怖いかも。
 一番奥は、広めの場所だ。僕とママがのびのび眠れるだけの広さがあって、天井までも高い。ちょっと羽ばたいて伸びをするくらいはできる。

「んー…ん。これは…ちょっとマズいかも」

 部屋を隅から隅まで調べていたママが武器を構えた。ダガー、っていう刃だ。僕の爪くらいには鋭い、ママにとっての爪だ。
 ママ、どうしたの、とオロオロしていると、部屋の四隅からカタカタと物音が聞こえてきた。
 僕は戦うことが得意、じゃない。戦わないですむのなら、それがいいと思ってる。
 でも、このカタカタしてる音は、ママが苦手な骨の敵の音だ。じゃあ、僕、頑張らなくっちゃ…!
 僕は、先制攻撃! とばかりに部屋の隅に突進した。杖を持った骨を突進で壁に叩きつけて、振りかぶった爪で骨を砕く。まず一匹!
 石畳を蹴飛ばしながら次の骨に向かう。次の骨は錆びてボロボロになった剣を構えていた。でも、フラフラで、当たってもあんまり痛くなかった。そのまま吹き飛ばして、剣も骨も踏み潰して粉々にする。二匹め!
 三匹めがママと剣を混じえていたので、僕の爪で骨を薙いで、戦う力を奪ってから、杖で魔法を唱えている骨に突進して吹き飛ばした。

「グワ!」

 ママに何をする! ママに酷いことするやつは許さないぞ!
 骨が二度と起き上がらないように、なるべく粉々に、踏みつけて、もう起きませんように、と思う。
 ママは、命を終えてもこうして動く骨について、澱んだ竜力が悪さをしているんだ、って言ってた。僕にはよくわからない。

「おしまい、かな…?」
「グワー」

 やったぁ、僕頑張ったよ! 頑張ったよ! 翼をバサバサさせてアピールすると、ママは仕方なさそうに僕にお肉をくれた。ママ秘蔵のお肉だ! 干し肉! 噛めば噛むほどおいしいやつ!
 モグモグしてから、あっそうじゃない、と思った。頑張ったねのお肉も好きだけど、お肉のために頑張るんじゃないんだよ、僕。
 僕の方が大きくなったせいか、最近、ママは僕の頭をあまり撫でない。寂しい。
 自分から屈んで座って頭を出すと、ママはようやく気付いてくれた。「ああ、はい、はい。よしよし。頑張ったよクリス」わしゃわしゃするママの手が好き。好き!

 

 と、いう感じで、骨を掃除して、僕にくくりつけていた荷物を順番に広げていって、『渓谷の小堂』って場所が、僕らの新しいおうちになった。
 ママは僕の分も色々考えて動いていたから、疲れていたみたい。伏せた僕のお腹を枕にしてもうウトウトしている。
 じゃあ、今日は、僕がなるべく寝ないでお外のことを気にしているね。物音にはよーく耳をすませておくね。
 だから、ママは、おやすみなさい。

 

 


 

 

クエストで『珍客お断り』っていう、渓谷の小堂で敵を倒すクエストがありますが、そんなものはなかった! いいね!(

小ネタ

・リンウッドから歩いてジンゲンに向かっている感じで書いたので、歩くと、クリスとリノの道のりがよくわかります
・今度のおうち『渓谷の小堂』はココ!

・クリスにとってリノは『ママ』です。育ててくれるヒト=ママです。ママなんです

誰かにとって参考になるかもしれない小ネタでした( ˘ω˘ )

 

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