オリジナル小説

 

 翌朝。
 一日出かけただけでよほど疲れたのか、いつもよりぐっすりと眠った僕は、いつもより少し遅い時間に起き出した。
 朝の八時半は、僕にとっては寝坊だ。特別予定があるわけではないけれど、規則正しい生活を崩さないよう心がけているのに ...

オリジナル小説

 

 

 人のいない閑散とした田舎駅に列車が滑り込んだのを見て、荷物を持って席を立つ。
 忘れ物はないかを今一度確認して、プシュ、と開いたドアから外に出て、片手で携帯端末を操作した。降車手続きをすませて電子マネーで支払いを ...

オリジナル小説

 

 

 ついていくの言葉のとおり、シリルはセント・パンクラス駅まで徒歩で行く僕の斜め後ろを歩いたり隣に並んだりしながら僕についてきた。…駅までくれば諦めて帰るかもしれないと思っていたんだけど、僕の読みは外れてしまったらしい。

オリジナル小説

 

 僕は久方ぶりに、二時間に一本しか列車が来ない、人のいない閑散とした駅に来ていた。
 今日の天気はイギリスらしい曇り空。
 駅から駅をさすらっているんだろう、アコースティックギターを鳴らしてしわがれた声で歌を口ずさんでいる老人がいた ...

オリジナル小説

 

 レトロな喫茶店にふさわしい装飾品のように、ずっと壁に貼ってあるままだった羊皮紙の地図がある。
 なんでも電子ですませるようになった時代からすれば、羊皮紙の地図なんて旧時代の遺産だ。価値のほどは知らないけれど、きっと安くはないだろう。

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 カチ、コチ、とアナログ時計が静かに時を刻む音に、年季の入った丸テーブルとチェア。
 ブラウン管のテレビからはノイズ混じりのサッカー中継が流れる、時代に取り残されたような、寂れた喫茶店。
 少しでも人が入りやすいように、と開け放った ...

オリジナル小説

 

 風雨に晒され、月日の経過で朽ちていくばかりの看板。年季の入った丸テーブルとチェア。
 イマドキ骨董品扱いのブラウン管のテレビの調子は今日も悪く、ザラザラとノイズを混ぜた音を吐き出しながら、なんとかサッカー中継を流している。
 田舎 ...

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